研究課題/領域番号 |
19500486
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
下村 有子 金城大学, 社会福祉学部, 教授 (70171006)
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研究分担者 |
川邊 弘之 金城大学, 社会福祉学部, 准教授 (60249167)
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キーワード | 生活支援技術 / 視覚障害者補助システム / 障害者補助 / 福祉情報工学 / 視覚障害 / 障害者支援 / 視野障害 / 視野狭窄 |
研究概要 |
1.基礎データの入手のための実験 (1)眼球運動計測装置と視野追跡(頭部移動測定)装置での計測 眼球運動計測装置をレンタルし、日常の視線の動きを仮想視野狭窄者(健常者に視野狭窄めがね)で計測した。計測者は下村、川邊、木村、杉森である。被験者は学生と社会人の合計20名で行った。計測装置は、ナック社のアイマークレコーダーEMR-8CBである。この機種は眼球運動計測装置にヘッドモーション補正装置がついたもので、顔の動きと視線の動きが計測できる。 (2)実験内容 被験者に仮想危険物を数種類(球形、四角形、大、中、小、各色等)用意し、どのように視野外にある物体を発見しているのか、どのように探索するのかを実験した。スクリーン上に静止、または動いている物体を何秒で発見できるのか、また発見までの経路と停留点を測定し、評価した。 (3)結果 見える物体の種類に依らず、時間をかけて物体を探索する様子が見出され、求心性視野狭窄5度状態で平均6秒前後を要した。また、停留点解析により、自分の周りの視野を徐々に広げながら物体探索を行うことが見出され、333msec以上留まる停留点を平均4回経て物体発見に至った。停留点間の移動方向分布から、左右方向への走査が多いことも特徴として見られた。また、色に関しては、青・緑よりも赤・紫の法が探索時間は長いため、視野狭窄者に赤・紫系の色の危険物が迫っている時や上下方向から危険物が迫っているときには、早目に知らせる必要があることが判明した。 2.実験に基づくシステム構築 上記の実験に基づいて、システムの構築に取り掛かった。健常者視野の中に入ってくる動画画像と背景画像の差分を画像処理し、その動きを検出した。被験者が静止している状態での移動物体の検出のシステムの構築を行った。この部分は、木村、杉森で行った。全体のシステム構築やシステムの修正は平成20年度に行う。
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