1.研究の目的 視野狭窄者が視野が狭いために危険を察知できないときに、危険が迫ってくる方向の視野を入工的に広げ、そちらの方向に顔を向けさせ、危険から回避する手段を提供することである。 2.研究実施計画書 (1)危険察知 危険察知の検出は、USBカメラで取得した画像をMPEGなどの動画圧縮技術を応用した。基準フレームと基準フレームの差分を出し、その差分データを用いて、移動物体の検出を行った。 (2)危険物体の提示 検出された移動物体の検出場所に提示を行うが、視野狭窄者は狭い領域のみの視野である。そのために広角カメラで取得した画像は縮小画像に変換した。また、危険の提示のためにできる限り早くリアルタイムで提示を行う必要がある。縮小画像のための視認性の低下を防ぐために、危険物体が視野狭窄者の残存視野に収まるように、危険物体が迫ってくるときのみ画像縮小を行った。 (3)全体システムの構築 19年度の実験結果や、(1)(2)の技術を織り込み、入力部分のCCDカメラ、出力部分のHMDを用いて、ノートパソコンでシステム構築を行った。ノートパソコンを用いた理由は、今後体に装着して自由に動けるようにする予定であるからである。 (4)検証 今回の検証は、健常者を視野狭窄状態にして行った。健常者は通常、広い視野でみているため狭窄状態に慣れるのが時間がかかった。また、通常と違った視野のために気分が悪くなる人も出た。しかし、狭窄状態では検出できない、迫ってくる危険物体が検出でき、一応の成果が検証できた。
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