研究課題
中途視覚障害者の職業教育並びに学習支援を目的としたペン入力型ノートテイキングシステムの開発を目指す。理療教育課程に在籍する中途視覚障害者が、あん摩,マッサージ指圧、はり師、きゅう師の国家資格を取得するための学習補助機器として、普段の筆記と同じ手法でコンピュータに日本語入力が可能なペン入力型のノートテイキングシステムの開発を行った。本手法は、情報機器に不慣れな初心者でも字形を覚えている中途視覚障害者であれば直接的に文字入力ができる優位性がある。本年度は、ノートテイキングシステムのプロトタイプによる評価実験と被験者アンケートを行った。理療教育課程に在籍する理教生20名(男性17名、女性3名、平均年齢49.6±9.1歳)における実験の結果、今回の入力実験における平均文字認識率は93.7%であった。実質的な精度向上は新たに導入した誤り訂正処理による効果が大きいと考えられる。単純に換算すると、93.7%の認識精度は、112文字の例文を入力した際、7〜8文字程度の入力ミスが予想されるが、文書の内容理解は可能と考えられ実際の講義ノートの作成には十分対応できる見通しを得た。アンケートの結果より、授業中に手書き入力でメモやノートがとれることに対する期待は強い。授業者の発話の速度に対応するには、ペン入力とボタン操作並びに誤認識に対するさらなる向上が必要であるが編集機能の実装によって文字使用の可能性がより拡がると考えられる。
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Proc. of the 11th International Conference on Computers Helping People with Special Needs. LNCS5105
ページ: 813-820
International Journal of Innovative Computing, Information and Control Vol. 5, No. 3
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