ここ数年、海外では脳と計算機を接続するインタフェース(Brain-Computer Interface、BCI)とそれを利用した機器への接続(Brain-Machine Interface、BMI)の研究が進歩し、訓練すると、脳波によって画面上のカーソル位置を2次元的に操作すること等が比較的自然にできるようになると報告されている。しかし、BCIによって自宅や病院などの施設内で文字入力を行った実証的研究はほとんどなく、障害者向けの機器へと発展させた報告はされていない。本研究では、非侵襲的なBCIを介して機器の制御を行い、障害者自らがコミュニケーション装置の操作を可能とする方法を開発・評価することを目的とする。 研究初年度であるH19年度は、研究所で行われている、非侵襲的に脳活動を記録し、そこから意図に関連する信号を抽出することで単一のON-OFFトリガを出力する研究に基づき、この出力をトリガとしてこれまでに開発している視線による文字入力アプリケーションの起動/終了を脳波のみで行うシステムを開発した。次年度以降は、これを用いて、ON-OFFトリガを利用して文字入力を行うシステムを開発していく予定である。
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