研究課題/領域番号 |
19500497
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
国田 賢治 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (20316003)
|
研究分担者 |
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60190089)
渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
|
キーワード | 姿勢 / 脳 / 賦活 / 頚筋 / 眼球運動 / 瞬目 / 反応時間 |
研究概要 |
本研究では、頚部前屈保持に伴う眼球運動反応時間短縮および自発性瞬目数減少の運動経験による差異について検討した。 被験者は、スポーツクラブに在籍したことのない対照群30名と卓球、野球あるいはテニスのいずれかのクラブに4年以上在籍したことのある高速ボール追従群30名からなる。頚部前屈角0度にて下顎部を支持台に置いた座位姿勢(安静頚部姿勢)と、下顎部を支持台に置かずに頚部前屈角20度を保持した座位姿勢(頚部前屈姿勢)にて、(1)2点交互に点灯する視標を注視する眼球運動反応課題および(2)中心点を注視する課題を行った。いずれの課題もそれぞれ30秒間、5回ずつ測定した。眼球運動反応時間は、視標の移動開始に対する眼球運動の反応開始までの遅延時間とした。1試行ごとに分析を行った。自発瞬目数は、150秒間(30秒間×5回)で生じた垂直眼球運動の数をもとに1分間値を算出した。 対照群では、安静頚部姿勢および頚部前屈姿勢の条件間で眼球運動反応時間に有意差がみられなかった。一方、高速ボール追従群では、反応時間は、頚部前屈姿勢が安静頚部姿勢に比べて有意に短かった。対照群では、安静頚部姿勢および頚部前屈姿勢の条件間で自発性瞬目数に有意差がみられなかった。一方、高速ボール追従群では、瞬目数は、頚部前屈姿勢が安静頚部姿勢に比べて有意に少なかった。 高速ボール追従群では、頚部前屈を保持すると脳賦活作用が生じ、それが眼球運動の反応開始の機能を向上させるとともに、視覚情報の空白をもたらす自発性瞬目を抑制させるものと推察された。
|