小学校体育に剣道を導入するには、学習のねらい、身に付けさせる技能・態度の学習内容、評価基準等を明確にする必要があること。また、現行の剣道具は価格が高く、用具の維持・管理では専門性が必要となり、実際に小学校体育授業で使用するには困難さがあること。更に、小学校教員が担当可能な内容であること等の様々課題がある。本研究は、小学校に剣道授業を導入するための簡易剣道具開発と学習内容作成を目的としている。授業用の簡易竹刀は、1) 廉価で耐久性がある。2) 修理の簡略化を図る。3) 安全性を図る。4) 両手操作(柄と刃部)と竹刀のしなり等の竹刀特性を有する。5) 打撃力を弱めるために軽量化する。6) 竹刀長を1mとする等を考慮して、平成19年度に試作竹刀1を作成した。本年度は、さらに改良し軽量化した試作竹刀IIを作成し、この試作竹刀IIの打撃力に対応する授業用簡易防具(面、胴・垂れ)を開発した。簡易防具作成の観点としては、1) 動き易いように軽量化する。2) 着脱の簡略化を図る。3) 保管、管理の効率化を図る。4) 衛生的にする等であった。また、平成19年度は、小学校中学年用(4年生)の学習内容について技能分析法と形成的授業評価法により、その妥当性を検討したが、平成20年度は高学年用(5年生)の学習内容について、国立大学法人I大学教育学部附属小学校5年生を対象に剣道授業を実施した。その結果、児童の剣道の授業評価、技能分析の成績は高得点を示していた。以上のことから、教材用簡易剣道具及び学習内容は小学校体育授業で実施可能なもの考えられる。
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