本研究では、教員の資質として「間身体的コミュニケーション力」を取り上げ、教員養成課程に在学する学生を対象として、身に付けていくプロセス=学習プロセスを明らかにすることを目的としている。昨年度は、教員養成課程入門期の学生を対象とした授業で、時間毎に量的調査(自己評価)を行った。今年度は、その成果を紀要論文としてまとめた(島根大学教育臨床総合研究)。また、本年度の授業では、その調査結果を元に、授業実施前にガイドライン作成のための調査を行い、ガイドラインを作成を試みた。授業はそれを元に実施し、昨年度と同様量的調査を行った。また、昨年度の最終レポートを「言葉以外のかかわり」と「仲間との協力」に着目して質的に検討した。その方法について、学会のラウンドテーブルで話題を提供した(日本体育科教育学会第13回大会)。教員の資質として、「間身体的なコミュニケーション力」を質的に評価するためのキーワードの選定が今後の課題となっているが、これまでの量的検討・質的検討に合わせて、研究代表者・研究分担者それぞれの授業における気付きを相互に評価し合う作業を進めているところであり、最終年度にポートフォリオを実施するための準備は整ってきている。最終年度は、対象授業でポートフォリオを実施することにより、学習プロセスの解明が目指される予定である。
|