本研究では、教員養成課程において、学習者が教員の資質として間身体コミュニケーション力を身につけるプロセスについて、ポートフォリオを活用して明らかにすることが目指された。 初年度は、学習者の自己評価項目を作成するとともに、その量的な調査によって教材の妥当性を検証し、次年度は、学習者の内省文を手がかりに、学習課題や指導者による評価項目を具体化し、授業実践においで提示した。 最終年度は、これまでの自己評価と指導者側の評価に加えて、学習者の相互評価のための項目を検討することを目標とした。そのために、学習カードが記録として活用されるだけでなく、カンファレンスシートとしても活用されるように、学習者が相互にメッセージを送り合う欄を設けた学習カードを作成し、振り返りを行った(本年度学会発表)。また、学習者によるメッセージ欄の記述をグループ分けし、相互評価のためのキーワードを選定した(本年度掲載舞踊教育学研究論文)。その結果、「相手の支援」「自分への接し方」「相手の活動」「協働したこと」という指標を明らかにすることができた。今後、さらにこのメッセージ欄の記述と学習者の内省文のかかわりを質的に検討していくことが課題として残された。
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