近年の教育においては「知育」のみが重視され、ややもすれば「徳育」「体育」が軽視される傾向にあるように感じられる。また、知育偏重教育のさまざまな歪みが出てきている時代であるとも言われている。 研究代表者の細野は本校着任以来32年間にわたって本校の体育、武道教育に尽力してきた。特に監督を続けている剣道部では平成元年度から平成20年度までの20年間において本校剣道部は連続して全国高専大会に団体出場しており下記のような成果が挙げられた。 1. 打突時動作の分析および評価 収集した打突時動作の分析および評価を行った。画像処理技術を利用し竹刀の動き、速度によりカテゴライズの分析を実施した。カテゴライズの手法は研究分担者の川口の専門分野であるニューラルネットワーク等の技術を活用した。これにより客観的なデータ収集、打突評価を行いながらデータ収集、評価を続けながら取得部位のポイントにおける観点から指導法の改善を目指した。さらに、稽古時における個々の部員の動きをデータとして収集し、定量的に評価する手法を確立した。 2. 日常の稽古指導の見直し 日常的な稽古では校内1周のランニングの後体操と素振りを行っておりその後切り返し、追い込み、基本打ち、かかり稽古、連続打ち、一本勝負、かかり稽古の内容である。 地稽古の場合どうしても片方が打てばもう片方が打つといった感じになって緊迫感が欠けてしまいがちになる問題点を一本勝負の稽古で補うことなどの改善を実施している。本研究で収集した打突時の動作解析をもとに日常の稽古指導の見直しおよび指導法の改善についての考察も行った。
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