研究概要 |
本研究の目的は,児童、生徒(中学3年生まで)において,体格・体力・疾走能力の分析を縦断的に調査し,各児童、生徒の身長発育速度曲線をもとに疾走能力を検討することにある。これまでの研究結果から,疾走能力が高い児童・生徒は,一般的に身長が高い早熟である可能性を否定できない。そこで,小学生から中学生までの第二次性徴を考慮した縦断的な研究を進めることで,身長発育速度ピーク(PHV)年齢をもとに,疾走速度,歩幅,歩数などと考えられている疾走能力の検討を縦断的に行う。 19年度は,小学2年生〜6年生(1学年男児60名女児60名の120名,計600名)である被検者を対象として,疾走能力,新体カテストや体格の測定、分析を行なった。疾走能力については,新体力テストの50m疾走をスタートからゴールまで,10mごとの疾走速度変化を分析するために30m側方にビデオカメラを設置して,各区間の分析が行えるよう撮影を行なった。ビデオ撮影後,映像を再生することにより,各区間の通過時間,疾走速度,ピッチやストライドなどを算出し,データを収集した。 また,身長,体重などの体格,文部科学省の新体力テストである,立ち幅跳び,ボール投げ,シャトルラン,握力,上体起こし,長座体前屈,反復横跳びを行なわせ,実態を把握し,本年度のデータとして蓄積した。これらの結果は横断的分析のため論文等にしていないが,2004年にわれわれが報告した結果と同様のことがみられ,疾走速度の増大はストライドの増大によることやストライドの増大は身長の増大によることが確認された。
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