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体育・スポーツ場面においては、合目的的な行動遂行のために瞬時の情報処理能力が求められ、この能力の優劣が勝敗に大きく影響する。今年度は、瞬時の状況判断能力が求められるオープンスキル系の種目として球技種目経験者群(以下OS群)と比較的固定的環境で行われるクローズドスキル系種目経験者群(以下CS群)について、眼球運動測定装置を用いて状況判断能力を調べることを目的とした。OS群は周辺視野を用いCS群よりも遠い位置まで視点配置を行ったが、CS群は中心視でターゲットの位置を確認し遠いターゲットまで視点配置が行われない傾向が示され、原点から最も近いターゲットから順に視点配置が行くことも明らかとなった。視点の分散についてはOS群が視野におけるターゲットの間隔の広い条件において視点を集中的に各ターゲットに移動させたため分散が大きくなり、狭いターゲットについては周辺視によってターゲットを確認したため分散が小さくなったと推察された。また、CS群は条件によって分散が変わらなかったことからBS群は情報収集の対象(ターゲット)の位置によって視点の分散を使い分け効率的な視覚探索を行っていたことが考えられ、状況判断能力におけるBS系の特徴を明らかにすることができた。一方、予測反応時間に関しては、課題内容の難易度が高かったことと、視覚による情報収集力以外の要因が関係したことが考えられ有意な差はみられなかったが、次年度に向け有効視野の広さとの関連について検討を行っていくことが必要と思われる。
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