研究課題
本研究の目的は「オリンピックの根本精神であるオリンピズムとそれを実現していくためのオリンピック・ムーブメントの目的として示された「平和な社会の推進」および「平和でよりよい世界の建設」という高邁な目的に対して、最近のオリンピック開催都市および開催予定都市の計画と実際の活動を調査分析し、それらの都市の平和運動の実態を明らかにすることによって、平和運動としてのオリンピック競技大会の目的達成状況を検証すること」である。本年度は以下のような研究を行った。1.オリンピック開会式の映像、総集編の映像、オリンピックの平和運動やオリンピック教育の記録等の映像と文献資料を収集した。2.2008年北京大会に向けたオリンピック平和運動に関する資料を収集・整理した。3.これまでの研究成果の整理と今後の研究方向のフレームについて英語圏の国際学会にて報告し、その有効性と妥当性とを世界に問うた。その際に、オリンピック研究者ネットワークを利用して研究情報を交換した。さらに、海外共同研究者との資料収集等の研究打ち合わせを行った。4.ローザンヌのオリンピック博物館、IOCオリンピック研究センター、国際オリンピック休戦センターで資料収集した。特に、オリンピック開会式およびオリンピックの平和運動とその教育の関連資料を収集・整理した。5.2008北京大会の聖火リレー採火式の調査を行い、聖火リレーの平和委的メッセージについて資料収集を行った6.収集したオリンピック開会式や平和運動とその教育に関する資料を整理した。このような研究成果から、オリンピックの理想としての平和運動と現実としての政治的軋轢などの諸問題が浮き彫りになった。オリンピックの諸問題の改善に向けてオリンピックの平和運動という理想の重要性が再確認された。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
体育・スポーツ哲学研究 29
ページ: 109-123
Japan. In A. Niehaus and M. Seinsh(Eds.)Olympic Japan: Ideals and Realities of(Inter)Nation alism., Ergon Verlag
ページ: 211(分担執筆33