研究課題
本研究の目的は「オリンピックの根本精神であるオリンピズムとそれを実現していくためのオリンピック・ムーブメントの目的として示された「平和な社会の推進」および「平和でよりよい世界の建設」という高邁な目的に対して、最近のオリンピック開催都市および開催予定都市の計画と実際の活動を調査分析し、それらの都市の平和運動の実態を明らかにすることによって、平和運動としてのオリンピック競技大会の目的達成状況を検証すること」である。本年度は以下のような研究を行った。1.最近の開催国のオリンピック開会式のテレビ映像資料および総集編映像の中のオリンピズムやオリンピック平和運動とその教育に関する象徴表現、公式報告書などの資料収集整理を行った(4月〜8月)。2.北京オリンピック大会の国際聖火リレーおよび開会式の調査、内容分析・解釈(1)北京オリンピック大会の国際聖火リレーおよび開会式時における「オリンピック平和運動とその教育」について大学院生王一民氏と現地調査を行った。(2)北京大会時のオリンピック関連学会に参加し、これまでの研究成果を報告するとともに、オリンピック研究者ネットワークを利用して資料の収集と分析に当たった。3.研究成果の中聞公表およびオリンピック平和研究資料収集およびまとめと整理北京オリンピック関連の平和運動を中心に国際スポーツ哲学会において研究成果の中間公表を行うとともにローザンヌのオリンピック研究所、アテネの国際オリンピック休戦センター(IOTC)とも連携し、最新の資料収集を行った。このような研究成果から、オリンピックの理想としての平漁運動と現実としての政治的軋礫などの諸問題が浮き彫りになった。オリンピックの諸問題の改善に向けてオリンピックの平和運動という理想の重要性が再確認された。
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