研究課題
本研究の目的は「オリンピックの根本精神であるオリンピズムとそれを実現していくためのオリンピック・ムーブメントの目的として示された「平和な社会の推進」および「平和でよりよい世界の建設」という高邁な目的に対して、最近のオリンピック開催都市および開催予定都市の計画と実際の活動を調査分析し、それらの都市の平和運動の実態を明らかにすることによって、平和運動としてのオリンピック競技大会の目的達成状況を検証すること」である。本年度は以下のような研究を行った。1.データの整理・分析(6月~10月)(1)北京大会、バンクーバー大会の各種テレビ放映資料および過去の公式映画資料の中のオリンピック平和運動とそのためのオリンピック教育に関連するデータの収集・整理を進めた。(2)データ整理されたオリンピック映像および北京、バンクーバー両大会の開会式調査の整理・分析・解釈を行った。(3)シンガポール・ユース大会における平和運動に関する現地調査を行った。特に、開会式と文化教育プログラムに焦点を当てて調査した。データ化されたオリンピック映像資料および北京、バンクーバー両オリンピック開催時の平和運動のテクスト資料をジャンル別に特徴的な様相を摘出して分析・解釈し、オリンピック平和運動とそのオリンピック教育の理念と実態を明らかにしていった。特に、北京大会時の平和運動とオリンピック教育に焦点を当てて分析・解釈した。2.研究成果の公表(9月~10月)今年の国際オリンピックシンポジウムおよび国際スポーツ哲学会において、北京オリンピック開催時の平和運動およびそのためのオリンピック教育の実態について研究成果を報告し、世界的評価を受けた。得られた結果から、北京大会では愛国主義教育との関連から平和教育が十分ではなかったこと、バンクーバー大会では聖火リレーを含め平和的メッセージの発信不足、そのためのオリンピック教育の不十分さが明らかとなった。
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http://www.sci.metro-u.ac.jp/sport/personal/masumoto/masumoto.html