研究概要 |
目的 本研究は,下肢動作の左右差と安定性を探るために,歩行と走行動作における下肢の動きとそれに関連すると思われる股関節屈曲筋力を計測した. 方法 トレードミール上での歩行と走行動作を約15秒間行った.速度の変化による下肢の左右差および下肢の安定性の変化を見るために歩行2段階の速度,走行2段階の速度を選択した.歩行の速度はそれぞれ2.4m/sと4.8m/s,走行の速度はそれぞれ7.2m/sと10.8m/sであった.被験者は,整形外科疾患を有しない男子8、女子13名の若年者を用いた.全員大学生であった.被験者の側面約16mからビデオカメラを用いて撮影された.両脚の膝蓋骨の中心に蛍光マーカーを貼り付け,撮影された映像から膝の動きをディジタイザーによって60フレーム/秒で読み取り,膝が到着した最高点を計測した.両脚の左右差は,両脚膝の最大垂直変位の差として算出した.動作の安定性を測るために,膝挙上最高位の変動係数を使った.左右脚に対してそれぞれ以上の分析と計算は行われた.歩行と走行動作を行うと同時に,股関節屈曲筋力を測定した.股関節屈曲筋力は試作された測定台によった. 結果 左右差について、下肢速度の変化、男女間の差異が認められた。男女とも,速度の増加による変動係数の増大が見られ,その中女子は特に顕著であった.すなわち,下肢の運動速度の増加にとって,下肢のばらつきが大きくなり,安定性が低下していることがわかった.また、筋力の差が安定性に影響することが見られた
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