研究概要 |
まず、腰部に取り付けることのできる、有線式3軸加速度計を製作し、トレッドミルをパーソナルコンピュータによって制御し、さらに3軸加速度計、呼気分析装置からのデータを、パーソナルコンピュータに入力すると同時に、高速度ビデオカメラと画像キャプチャカード、および3次元運動解析ソフトウェアを使用して歩行、走行中の身体重心などの3次元における測定を可能とするシステムを構築した。 つぎに、完成させたシステムのトレッドミル上で、被験者に2,4,6,8,10km/hの速さで歩行および走行を行わせ、3軸加速度計の出力を記録し、歩行、走行中の、3軸加速度計から求めた加速度波形、これを積分して得た速度、さらに積分した変位などと、ビデオカメラから求めた値を比較し、これら相互の関係を検討した。 これによって、記録装置に使用する加速度センサの、人体に装着した場合の特性を精査し、記録装置の回路設計に役立てると同時に、加速度、加速度の全波整流積分値およびRMS値、速度、変位、および波形からパターン認識によって得られる歩数や一歩時間の変化をはじめとする情報と、エネルギー消費量の関係を解明する計画が進行したが、同時に、積分操作により誤差が発生すること、トレッドミルに慣れない者では加速度の大きさがすぐには安定しないことなども明らかとなった。すなわち、本研究計画で開発する装置によって、誤差要因を回避し加速度からエネルギー消費量を高精度に求めるための、きわめて重要なデータが得られた。
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