車椅子バスケット日本代表クラスの後天的身体障害者を対象に、彼ら/彼女らのアスリートキャリア形成に関して検討した。このプロセスでの性差として、主に車椅子バスケットに参加する契機の相違が認められた。男子は他律的な面が顕著であるのに対し、女子は自律的な面が顕著であった。その後の車椅子バスケットに定期的、継続的に参加するようになる要因としては、良き仲間を得たことや車椅子バスケットそれ自体の魅力が、参加し続ける要因としては、向上心とともに、身近にアスリートとしての同志や役割モデルを得たことが認められた。こうした一連のアスリートキャリア形成をめぐる主な問題点として、競技活動と仕事や家庭との両立、また練習場所や資金といった物的な側面が認められた。
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