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2007 年度 実績報告書

仮想現実感技術を用いた運動物体の認知予測特性と捕捉失敗の因果関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500548
研究機関国士舘大学

研究代表者

竹市 勝  国士館大学, 政経学部, 准教授 (30265962)

研究分担者 藤田 欣也  東京農工大学, 大学院・共生科学技術部, 教授 (30209051)
キーワード仮想現実感技術 / 位置予測 / 眼球運動 / 遮蔽物体
研究概要

本研究では、捕捉運動を取り上げ、その動作失敗の要因について検討するために、認知・予測・運動制御という一連の動作において、認知・予測能力に着目し、その能力について評価を行った。
平成19年度は、運動物体の認知予測特性の評価実験について主に実施した。認知予測タスクと捕捉タスクの検討、仮想環境画像構築、構築システム評価実験については、十分に実施できなかった。これらについては、平成20年度に再度計画することとした。
本研究では、物体運動の位置予測タスクを設定し、遮蔽された運動物体の位置予測特性について検討した。遮蔽後の運動物体の予測位置を過小評価することから、遮蔽物体の運動速度(予測速度)は、実際よりも遅く見積もられることが既に判明している。しかし、なぜ遮蔽後は実速度より低下するのか、予測特性における大きな疑問であった。この原因解明のため様々な条件下で実験を行った結果、原因が脳内における運動モデル、すなわち遮蔽後の速度表象にある可能性が見いだされた。Steinbach(1976)は、眼球運動は脳内モデルを反映すると報告しており、このことからタスク中の眼球運動を測定し解析することとした。
等速1m/sの運動物体では、遮蔽前は正確に位置の認知が可能であるが、遮蔽後は移動距離を過小評価し、速度を遅く見積もった。眼球運動の速度を視点の移動距離と時間から求め、遮蔽前、遮蔽後について解析すると、遮蔽前は実速度と同じ速度で、遮蔽後は実速度の50%程度で、かつ予測速度と同じ速度を示した。このことから遮蔽後の物体速度の低下は、遮蔽により速度表象が低下することに起因することがわかった。これは予測エラーが、物理的環境ではなく、脳内において構築される心理的運動モデルに影響されるという、ヒトの予測特性を示唆するものである。これは、動作の結果を左右する重用な要素であることから、今後の研究にとって重要な意義を有する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Eye movement after occlusion during position anticipation task2007

    • 著者名/発表者名
      Masari Takeichi, Kinya Fujita, Hideyuki Tanaka
    • 学会等名
      European conference on visual perception 2007
    • 発表場所
      Arezzo,Italy
    • 年月日
      2007-08-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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