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2009 年度 実績報告書

仮想現実感技術を用いた運動物体の認知予測特性と捕捉失敗の因果関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500548
研究機関国士舘大学

研究代表者

竹市 勝  国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)

キーワード眼球運動 / 認知特性 / 予測特性 / 捕捉動作
研究概要

本研究では、捕捉運動を取り上げ、その動作失敗の要因について検討するために、認知・予測・運動制御という一連の動作において、認知・予測能力に着目し、その能力について評価を行った。
運動物体を途中で遮蔽し、刺激提示時点における位置を予測する課題によって、認知・予測能力について評価した。位置予測課題の解析結果から、被験者は遮蔽から刺激提示時までの物体移動距離を過小評価することが明らかになった。平成20年度では、この原因について様々な角度から検討した結果、遮蔽により脳内の運動モデルの速度表象が低下することに起因するとの知見が得られた。
平成21年度は、眼球運動の解析から遮蔽がもたらす予測特性への影響について、位置予測課題における回答の有無に着目し、更に検討した。前述の課題において位置予測の回答を要求した場合,視線移動速度に大幅な低下が見られた。回答を要求しなかった場合、視線移動速度の低下は見られなかった。課題における追視条件と固視条件の両条件でも遮蔽から刺激提示時までの物体移動距離の過小評価が見られたことから,追視による眼球運動が予測距離の過小評価の原因である可能性は否定された.したがって,運動物体の遮蔽後位置予測の回答を要求することが、物体移動距離を過小評価する原因である可能性を示唆する新たな知見が得られた。位置予測課題における1タスク(回答)の要求が脳内の運動モデルに影響することは、運動物体に対応する動作を左右する重要な要素であることから、今後の研究において重要な意義を有する。
また位置予測課題における回答要求条件(86.3%)が回答要求無し条件(65%)よりも、遮蔽時に視線が先行する試行の出現率が高いという結果が得られた。このことから物体移動距離が過小評価されるメカニズムとして、運動物体から遮蔽板の目盛りへ注意の移動により運動物体の速度表象が失われたとする仮説と、運動物体と板の目盛り両者への注意分割により運動物体の時間表象が失われたとする仮説が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 運動物体の遮蔽後位置予測における注意の影響2009

    • 著者名/発表者名
      新井健之, 藤田欣也, 竹市勝
    • 学会等名
      日本バーチャルリアリティ学会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2009-09-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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