研究概要 |
本研究は,仮想環境において運動物体の遮蔽後位置予測課題を用いて実施した.その結果,被験者は,遮蔽された運動物体の速度(予測速度)を実速度より遅く見積もった(予測速度低下現象).このことは運動物体に対応した動作に影響する重要な要因となることから,この現象が生起する原因および予測特性について検討した. 眼球運動の解析から,予測速度の低下は遮蔽によって生じること,位置を回答するための情報処理が影響する可能性が示唆された.400回の学習課題の結果から,予測特性に関する学習過程は,位置エラー修正から速度エラーの修正段階へと変化することが明らかになった.このことから予測特性に対する反復訓練によって予測スキル向上の可能性が示唆された.
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