研究課題
この研究はスポーツボールの変化球の中でも魔球中の魔球であるサッカーボールやバレーボールをゲーム中にほぼ無回転で飛翔させる場合にしばしば観察されている不規則な軌道変化の不思議を扱ったものである。滑面球の超臨界流域における球背後のΩ渦とそれに続く2列の縦渦のランダムな流れはTaneda(1976)の研究で定性的には知られていた。我々の研究ではサッカーボールでその流れの変化による揚力と横力のランダムな様相を定量的に測定し、これがボールを魔球的に変化させる流体力であることを数値的に説明することが出来た。ボール背後のこれらの流れがランダムにその発生位置を変化させることを、タフト法と煙法で高速度カメラを使って可視化撮影し、非定常揚力・横力との対応を付けることができた。これらにより、この現象の解明ができたと考える。この研究資金を使ってサッカーボールの無回転発射装置を作成し、この装置で無回転サッカーボール・バレーボールの魔球を確実に発生させることができることになった。その結果をハイビジョンカメラや高速度カメラで撮影してストロボ映像化してボール位置の3次元位置座標で表現することに成功し、魔球の変位挙動などの様相を定量的に表すことができた。激しい変化の様子を数値的に表わすことができた。これらの激しい変化の様子は、今後は、青少年科学の祭典や大学のオープンキャンパスなどの社会貢献にも、子供達の興味を引き、おおいに利用できることになった。
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化学工学 Vol. 72, No. 5
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http://www.fit.ac.jp/~mizota/kasika.htm