研究課題/領域番号 |
19500558
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
楠美 智巳 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90322932)
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研究分担者 |
石橋 恭之 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80292142)
楠美 昭則 弘前大学, 大学院・医学研究科, 客員研究員 (90332494)
鬼島 宏 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90204859)
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キーワード | 関節疾患 / スポーツ医学 / 組織学 / 離断性骨軟骨炎 |
研究概要 |
本研究では患者から手術時に採取された離断性骨軟骨炎病変部の骨軟骨標本を用い組織学的解析を行った。当施設で行われてきた手術症例をレトロスペクティブに手術ファイル、病理診断ファイルをもとに収集した。1997年から2008年まで病理組織検体として提出された関節遊離体は69例であり、35例(50%)が離断性骨軟骨炎であった。ほぼ同時期の離断性骨軟骨炎の検体は98人100肢であり、そのうち骨軟骨円柱標本の得られた75人(77肢)を対象とした。罹患関節別では、肘が42人(42肢)、膝が22人(23肢)、足関節が11人(12肢)であった。肘は平均13歳で全例がスポーツ選手とくに野球選手であった。膝は平均15歳で全例がスポーツ選手であった。足関節は平均18歳で10人がスポーツ活動を行っていたが、6人では明らかな外傷機転があった。肘については骨軟骨円柱標本の組織学的変化を既に報告しており(Kusumi T, et.al. Osteochondritis dissecans of the elbow : histopathologic assessment of the articular cartilage and subchondral bone with special empbasis on their damage and repair. Pathol Int. 2006 ; 56:604-12)、他の関節についても関節軟骨と軟骨下骨の変性・損傷・修復の所見、軟骨・骨組織間の離開様式について検討した。膝は肘に比較すると軟骨下層よりも軟骨下骨levelでの離解例が多く、骨損傷が主体と考えられた。また、2例のみであったが、軟骨下骨の虚血性壊死を示唆する症例があり、外傷stressのみではない機序が示唆される。足関節は全例が軟骨下骨levelの離解であり、外傷機転を有する例が多かったことからも、骨折により生じると考えられた。軟骨分解に関与するHMP-3および-13は、肘と同様に膝・足関節でも再生線維軟骨の細胞に発現していたが、残存関節軟骨での変性細胞には発現が少なかった。
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