研究課題/領域番号 |
19500574
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
宮本 忠吉 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (40294136)
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研究分担者 |
高木 洋 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (60216629)
稲垣 正司 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (80359273)
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キーワード | 生理学 / システム工学 / 呼吸器 / 循環器 / スポーツ科学 / 呼吸調節 / トレーニング / 適応 |
研究概要 |
背景:先行研究にて、ヒト呼吸化学調節系の特性を制御部(中枢コントローラ)と制御対象部(末梢プラント)に分離し定量解析することで、安静時や運動時の換気量決定機構を定量評価する方法論を開発した。本研究では、同法を用いてアスリートの運動時換気抑制機構の詳細を明らかにすることを目的とした。 方法:対象は、日々持久性運動トレーニングを実施している男性アスリート6名(Tr群)とコントロール群6名(UT群)。中枢コントローラの特性(動脈血[呼気終末]CO_2分圧(P_<ETCO2>)→分時換気量(V_E)関係)を調べるために、一定濃度のCO_2を吸入させ、VE及びP_<ETCO2>を測定した。末梢プラントの特性(V_E→P_<ETCO2>関係)を調べるために、一定の分時換気を意識的に行わせた。いずれも安静時と低強度運動時の定常状態で測定した。 結果:運動時の中枢コントローラ特性(V_E=S・(P_<ETCO2>-B))の傾きS値は両群間で差を認めなかったが、X軸切片B値はTr群がUT群よりも高値を示した(P<0.05)。運動時の末梢プラント特性(P_<ETCO2>=A/V_E+C)のX軸漸近線C値はTr群がUT群よりもやや低値を示した。両サブシステムの交点(動作点)のV_E値はTr群がUT群よりも22%有意に低値を示した。両群間のV_E反応の差異は中枢コントローラ特性(リセッティング)の違いによってほぼ説明できた。 結論:アスリートに見られる低強度運動時の換気抑制反応は、長期トレーニングに伴う中枢性の適応変化が主たるメカニズムであることが明らかとなった
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