研究概要 |
(1)唾液計測システム構築 申請した研究実施計画に則り,今年度は次年度実稼働させる唾液計測システムの構築を行った.今年度購入した遠心分離機およびマルチプレートリーダー等を使用することで,コルチゾル・αアミラーゼ・s-lgAの定量的分析が可能となった.現在,そのシステムを試運転中であり,次年度からのデータ量産が可能となる予定である. (2)唾液測定指標と月経周期の関連について 本研究計画では女性のみを研究対象とする.本研究計画で使用する測定指標のいくつかは女性特有の変動特性を持つ,本研究計画において同時測定予定の唾液から計測するαアミラーゼについて,月経周期および日内変動特性を確認した.その結果,他の唾液から測定する指標(コルチゾル・s-IgA等)より月経周期及び日内変動の影響が小さいことが示唆された.この結果は佐々木・森・小田原・田中(2007)として学会発表を行った. (3)スピーチ場面における心臓血管指標様態の再確認 スピーチ場面における心臓血管系指標の表現様態としての心臓知覚能力の再確認を行った.その結果,ストレス事態と心臓知覚能力の関連に,被験者の対処スタイルの影響が明確に存在することが再確認された.この結果は,河内・田中・浅井(2007)として学会発表を行った. (4)低ストレス事態におけるαアミラーゼの振る舞いについて 近年の研究で,スピーチ事態等の高ストレス場面での有用性が示唆されているαアミラーゼについて,低ストレス事態での特性を確認した.その結果,低ストレス事態でのαアミラーゼの弁別力は低いことが確認された.この結果は,田中・小田原・河内(2007)として学会発表を行い,その内容に加筆訂正した上で田中(2008)とした.
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