1.研究の目的 本研究の目的は、教師を対象としたストレスの自己評価尺度を作成し、インターネット上にて公開し、教師自身がストレスの状態について自己評価表を行うシステムを構築することにある。インターネットという個人の守秘性を保持しつつ、自己のストレス状態を認知し、個人のストレス対処方法を検討してもらうことを意図している。 2.研究の実施計画 本年度は、昨年度に作成を終えた小学校版の尺度に加え、中学校版、高校版の各尺度(ストレッサー尺度・ストレス反応尺度・ストレスコーピング尺度・セルフエフィカシー尺度)の開発を行った。また、これらの各尺度を基にして、インターネット上で自己評価(自動採点方式)のホームページを作成した。また、ホームページでは、自己評価を行った後、ストレス緩和につながる「教師のストレス対処に関する方法」を紹介するページを作成し、教師のストレスマネジメントへの効果も図っている。 2.研究の意義 本研究の意義は、ホームページという時間や場所の制約や匿名性を保持したまま活用可能とすることにより、教師のメンタルヘルスの改善を図ることにある。特に、個人の心理的ストレス問題に関心を示しているアクセス者から集積したデータは、通常の学校現場で収集を行ったデータとは異なる可能性がある。そのため、「学校環境による特有なストレス問題」や「教師特有の心理問題」に関わる要因の抽出が期待される。この分析結果を踏まえ、今後、有効な教師のストレスマネジメント方法を検討する。
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