福祉援助職のメンタルヘルスの現状と事業者のメンタルヘルス対策の現状を明らかにするために、社会福祉法人や福祉援助職員を対象とした聞き取り調査及びアンケート調査を実施した。その結果、職員は高いストレスを経験し、メンタルヘルス問題による休職・退職が増えているが、事業者による具体的な対策はほとんど行われていない現状が明らかになった。また、職員が感じるストレス要因と、事業者が考える職員のストレス要因の間にズレがあることも分かった。一方で、職員と事業者の両者が一致して、福祉援助職が健康でやりがいを持って仕事を続けるためには待遇改善が最も重要であると考えていた。待遇改善を始めとして、福祉援助職の労働環境や支援体制の改善・強化が緊急の課題であることが明らかとなった。
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