肥満児の身体活動量を増加させるため、学校での健康診断、健康教育の授業を利用した介入プログラムを実施し、身体計測値、血清脂質、脈波速度による動脈硬化測定、生活習慣調査をO 市の公立学校で3年間実施した。まず、小児における腹囲値、脈波速度の標準値を得た。介入プログラム実施後、肥満だけでなくやせの頻度も減少した。生活習慣は56%に改善がみられ、改善した例では肥満度、血清脂質、動脈硬化度とも改善する傾向が見られた。生活習慣では、食習慣や運動習慣のみでなく、睡眠習慣の重要性が確認された。肥満予防のための健康教育プログラムの実施は、肥満改善ばかりでなく、生活習慣全体を改善する機会となり、運動能力や学習効果にも良い影響を与えると考えられた。
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