ビデオは客観的な全体像を映し出し、記録として保管でき、一見して全体像が理解できる優れたメディアであり、高齢者の運動の動機づけに有効な手段である。さらに、動画から関節可動域などの数値や体力測定の数値、計測時間などを撮影後に計測できれば、体力の向上やリハビリの成果の評価にも有効な手段となり得る。また、動画通信による遠隔リハビリにおいて利用すれば、自宅でのリハビリ効果判定にも有用であろう。 研究の最終目標は、在宅高齢者の健康管理や退院後在宅リハビリを支援するために、動画記録を付加した「マルチメディア健康運動カルテ」を完成することにある。それによって、送られてきた動画から各種の人体計測を行い、数値による記録、写真(静止画)による記録、動画による記録を一元管理することができる。 昨年度に開発した動画像編集ソフトを運用して、実際の高齢者在宅運動指導の現場より送信されてきた動画像から任意の静止画を抽出し、付帯的身体情報の各種計測を行った。場所:高齢者在宅運動指導「出前運動教室(運動の家庭教師)」(兵庫県宝塚市逆瀬川地区、奈良県生駒郡斑鳩地区)。内容:健康運動士による筋力トレーニングと柔軟運動を中心とした健康増進プログラム。対象:それぞれ10〜20名の「非健康・非介護グループ」中高年者。動画記録:携帯電話、テレビ電話、簡易ビデオカメラ。人体計測:動画像編集ソフトによる関節可動域の計測。 運動実践、データ送信、人体計測と情報管理はいずれも良好に行なわれた。最終年度に、一般的な高齢者在宅運動指導の現場で運用することができると判断する。
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