研究課題/領域番号 |
19500602
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
小林 公子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (90215319)
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研究分担者 |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (50269495)
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キーワード | 生活習慣病 / 酸化ストレス / 肥満 / 脂質摂取量 |
研究概要 |
活性酸素の体内での増加によって生じる酸化ストレスは、糖尿病、高血圧、動脈硬化、肥満、がんなどの生活習慣病の発症に影響を与えていると考えられる。しかしながら、同じような酸化ストレス状態にさらされたり、抗酸化作用を有する食品を摂取しても、その効果は個体によって異なることが多い。本年度は、活性酸素の生成や消去に関わる酵素の遺伝子の個体差が、生活習慣病の発症に影響を与えているかどうかについて分析した。さらに、活性酸素の増大に関与する脂質摂取量と遺伝子型の組み合わせが生活習慣病の発症に与える影響についても分析した。 健康診断を受診した成人816名(平均年齢54.0±5.1歳)を対象として、活性酸素の生成や消去に関わる10種類の酵素の遺伝子(スーパーオキシドジムスターゼ(SOD2)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX1)、チオレドキシン(TXN2)、ペルオキシレドキシン(PRDX3)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GSTP1、GSTT1、GSTM1、GSTM3))の多型と肥満、高血圧、糖尿病との関連を分析した。その結果、PRDX3遺伝子に存在する多型と肥満との間に関連が検出できた(P=0.0003)。次に、脂質摂取量と遺伝子型を組み合わせて分析したところ、この関連は、脂質摂取量過剰群(脂質%エネルギー≧25)でのみみられ(P=0.0016)、脂質摂取非過剰群(脂質%エネルギー<25)ではみられなかった。以上のことから、PRDX3の遺伝子型と脂質摂取量の組み合わせが肥満の発症に影響を与えていることが示唆された(投稿準備中)。
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