研究課題/領域番号 |
19500602
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
小林 公子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (90215319)
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研究分担者 |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (50269495)
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キーワード | 生活習慣病 / 糖尿病 / リスク遺伝子 / 肥滿 |
研究概要 |
全ゲノムを網羅的に解析することにより同定された17個の糖尿病リスク遺伝子と、肥満の有無、炭水化物や脂質の摂取量、運動習慣といった環境要因の組み合わせが糖尿病の発症に与える影響を分析した。 被験者は、健康診断を受診し医師により糖尿病と診断された333人の男性と糖代謝正常の男性417人である。 分析した糖尿病リスク遺伝子のうち、SLC30A8、CDKN2A/B、CDC123、KCNQ1の4つの遺伝子が本研究の被験者集団においても糖尿病のリスク遺伝子となっていることが確認できた。それぞれのリスク遺伝子単独の効果は、Odd比にして1.3から1.7とあまり大きくはなかったが、リスク遺伝子を併せ持つと、Odd比は3.6に上昇した。さらに、炭水化物摂取量の多いグループに限って分析すると、糖尿病のリスク遺伝子の保有数が増えるとOdd比は6.0に上昇した。 また、肥満は糖尿病の最大のリスク因子であることが本研究でも確認できた。一方、肥満のあるグループでは、リスク遺伝子の保有数と糖尿病の間に関連は見られず、肥満のないグループでのみ、リスク遺伝子の保有数が糖尿病の強いリスク因子となることがわかった(Odd比7.6)。肥満がなくても、複数のリスク遺伝子を合わせ持つ人では、糖尿病発症のリスクが高くなるので注意が必要である。 今後は、これらのリスク遺伝子保有数の違いが糖尿病の治療効果、食生活や生活習慣の改善効果の違いに影響を与えるのかどうかについても分析していく必要がある。
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