柑橘系フラボノイドであるフラバノン配糖体のヘスペリジンはコレステロール合成の律速酵素である3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAレダクターゼ(HMG-CoA)還元酵素を阻害し、肝臓のコレステロール合成を調節することが報告されている。一方、Mundyらはスタチン系薬剤のコレステロール低下作用だけでなく、骨形成促進および骨吸収について報告している。本研究ではヘスペリジンの骨代謝に及ぼす影響について骨粗鬆症モデルマウスである卵巣摘出マウスを用いて検討したところ、スタチンと同様なメカニズムで骨量減少を抑制する可能性が示唆され、低分子GTP結合タンパク質のRho-Aの活性化が抑制されることで骨代謝調節が行われることが推察された。
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