1.『ラット正常肝細胞株Ac2Fにおける抗酸化関連たんぱく質のmRNAおよびたんぱく質発現に対するクルクミンの影響』 Ac2F細胞を0から40μMのクルクミンで24時間処理し、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)1、SOD2、HO(ヘムオキシゲナーゼ)-1のmRNA発現をRT-PCR法で解析したところ、40μMのクルクミンが、SOD1、SOD2、HO-1の発現を有意に増加させることがわかった。クルクミンの処理時間とこれらのmRNA発現の相関を調べたところ、24時間までは、有意に増加させるが、48時間後には、その活性がなくなることが分かった。また、40μMのクルクミンが48時間処理においてSOD2たんぱく質の発現を有意に上昇させ、40μMのクルクミンが12時間処理においてHO-1のたんぱく質の発現を著しく有意に上昇誘導させることが分かった。 2.『Ac2Fのコラーゲンゲル収縮とコラーゲン線維形成に与えるエピガロカテキンガレートの影響』 Ac2F細胞のTGF-βによるコラーゲンゲル収縮活性に与えるエピガロカテキンガレート(EGCG)の影響を調べたところ、EGCGがコラーゲンゲル収縮を濃度依存的に抑制することがわかった。また、市販の5種類のカテキンを用いて、無細胞系にて、コラーゲン線維形成に与える影響を調べたところ、ガレート基を持つエピカテキンガレートとEGCGだけが濃度依存的に線維形成を抑制することがわかった。 これらの結果は、食品中のポリフェノールであるクルクミンやカテキンが、肝臓において抗酸化作用を促進させ肝疾患を予防したり、肝線維症を抑制できる可能性を示唆している。
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