タウリンと肥満の関連を明らかにするため、タウリン合成系酵素システインジオキシゲナーゼ(CDO)のmRNA発現量と各モデル動物における脂肪細胞のサイズに関して検討した。魚油および共役リノール酸を高脂肪食(60%脂肪エネルギー比)に添加した抗肥満モデルマウスでは脂肪細胞のサイズが有意に小型化し、同時にCDOのmRNA発現量は増加傾向を示した。一方、高脂肪食を摂取し脂肪細胞が大型化したマウスの脂肪組織でのCDO発現量は減少していた。 さらに、マウスで認められた、肥満状態におけるタウリン欠乏状態がヒトにおいても認められるか否か検討した。 ヒト肥満者における血中タウリンレベルの測定を9例の入院患者を対象に行った。肥満の程度と血中タウリンレベルには相関関係は認められなかった。しかしながら、肥満治療後の血中タウリンレベルは治療前に比べ軽度に高値を示す傾向が認められた。 今後、肥満治療の効果と血中タウリンレベルの動態を検討する。
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