研究課題/領域番号 |
19500624
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研究機関 | (独)国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
笠岡 宜代 (坪山 宜代) 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 国際産学連携センター・国際栄養プロジェクト, プロジェクトリーダー (70321891)
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研究分担者 |
饗場 直美 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養教育プログラム, プログラムリーダー (50199220)
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キーワード | 肥満 / タウリン / 代謝 / エネルギー消費 / 脂肪細胞 |
研究概要 |
肥満状態でタウリン欠乏状態が生じていること、タウリン摂取が肥満を改善することを明らかにするため、タウリン合成の律速酵素であるシステインジオキシゲナーゼ(CDO)のcDNAを脂肪組織特異的なエンハンサー(aP2エンハンサー)に組み入れたコンストラクトを作成し、受精卵に挿入して、外因性CDO mRNAを白色脂肪組織で2-3倍過剰発現させたトランスジェニックマウスを作成した。作成したトランスジェニックマウスの生体内タウリンレベルを測定したところ、血液中のタウリンレベルは、野生型マウスとの間で有意差は認められなかった。また、普通食下における体重、子宮周囲脂肪組織重量、腎臓周囲脂肪組織重量、後腹壁脂肪組織重量にもトランスジェニックマウスと野生型マウスで有意差は認められなかった。以上の結果から、脂肪組織でCDO mRNAを2-3倍程度過剰に発現させても肥満の改善、タウリン欠乏の改善に大きく影響しない可能性が示唆された。 さらに、マウスで認められた肥満状態におけるタウリン欠乏状態がヒトにおいても認められるか否か検討した。これまでに測定したヒト肥満者44名の血清タウリンレベルと種々の因子の相関を分析したところ、肥満指標との有意な関連は認められなかった。対象者は肥満度の高い集団であるため、今後、BMI正常範囲の同年代対照群との比較を実施する予定である。
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