本年度は、共同では歴史的な郊外戸建住宅地「田園調布」へ現地視察、聞き取り調査に出かけ、宅地細分化、景観変動などの問題点を見出した。また、研究代表者としては、関西における郊外戸建住宅に住む主として高齢者世帯に対して、現在までの生活や住まい、今後の生活の見通しや住まいへの対処、課題等について聞き取り調査を行った。未だ十例以内に留まっているので、明確な方向性は見えなかった。ただ聞き取りの課程を通じて課題を認識することは出来たと考える。来年度は、独自の課題の他に、継続として、本年度聞き取り調査を基にさらに聞き取りを続け、方向性を見出したい。 研究分担者は、本年度は、郊外戸建住宅地を含む広範囲の地域を総括し、広く住民の生活やコミュニティ活動の支援を行っている広島市安佐南区の大塚・伴南学区社会福祉協議会の活動を事例として調査を行った。学区の社会福祉協議会役員と広島市都市整備局西風新都整備部職員に活動や地域の現状について聞き取り調査を実施するとともに、学区居住者に社会福祉協議会の活動やまちづくりについてアンケート調査を実施した。その結果、社会福祉協議会が地域に果たす役割、社会福祉協議会の取り組みの課題、住宅地の管理・運営を円滑に行っていくための可能性が明らかになった。
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