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2009 年度 実績報告書

高齢化社会に対応した身体にやさしい消臭・抗菌機能布の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500643
研究機関東京家政大学短期大学部

研究代表者

小林 泰子  東京家政大学短期大学部, 服飾美術科, 教授 (50259123)

研究分担者 仲西 正  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (90198143)
キーワード消臭性 / 反応染料 / 銅塩 / におい / ガスクロマトグラフ / 媒染染色 / マーセル化 / 綿
研究概要

本研究は,堅ろう性が高い含銅反応染料または含銅直接染料と銅塩で綿布を媒染し,(1)実用性の高い消臭機能布の調製法の検討と,(2)ガスクロマトグラフ(GC)法を用いたエタンチオール(ET)の消臭機構の解明を目的とする.今年度は直接染料を用いて研究を進めた.
(1)染料濃度0.1~10%owfの直接染料5種,Direct Blue 1, Blue 15, Blue 86(含銅),Violet 1, Red 2と硫酸銅を用い,シルケット加工ブロード綿布を染色,後媒染し,ETに対する消臭性を検討した.染料の種類により消臭性は異なり,Blue 1染色布では染料濃度の増加に伴い含銅量が増し,消臭性が高くなった.すべての染料において,濃度0.5%owf以下で染色した綿布の消臭性は低かった.消臭機能発現には,染料の銅への配位が不可欠であると考えられる.消臭性の高いBlue 1は,ジアニシジン系直接染料で,ナフタレン環の水酸基とともに,アゾ基,メトキシ基で囲まれた空間がある.銅塩媒染によりこの部分に銅が結合して錯塩化しやすく,染料の増加に伴い銅の吸着が増し,消臭性が高くなったと考えられる.
(2)含銅直接染料Direct Blue 200と硫酸銅を用い,ブロード綿布を先媒染,染色,後媒染した.得られた先媒染試料布(pre),染色試料布(dye),染色+後媒染試料布(dye+aft)を用いて,ETに対する消臭機構を検討した.各試料布,空気,ETを入れたテドラーバッグ内の一定量の空気を抜き取り,GCに注入し,クロマトグラムを求めた.消臭過程でETとジエチルジスルフィドのピークが検出され,分解と吸着が起こっていると考えた.pre型の銅は触媒型(分解)と吸着型であり,aft型の銅は触媒型のみであると推論した.染料濃度が高くなると後媒染により含銅量が増し,消臭には分解のみが関与し,すべてのETが分解することがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Deodorizing and Antibacterial Abilities of Knitted Cotton Fabrics Mordant Dyed with Reactive Dyes and Copper (II) Sulfate.2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Kobayashi, K.Kosaka, T.Nakanishi
    • 雑誌名

      Textile Research Journal 80巻, 3号

      ページ: 271-278

    • 査読あり
  • [学会発表] IGC法による含銅媒染染色ナイロン繊維のにおいモデル物質収着量測定2009

    • 著者名/発表者名
      大野藍, 仲西正, 小林泰子
    • 学会等名
      繊維学会年次大会
    • 発表場所
      東京・タワーホール船堀
    • 年月日
      2009-06-10
  • [学会発表] GC法による含銅染色布の消臭機構解明2009

    • 著者名/発表者名
      葛西路子, 仲西正, 小林泰子
    • 学会等名
      繊維学会年次大会
    • 発表場所
      東京・タワーホール船堀
    • 年月日
      2009-06-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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