研究概要 |
この研究は,高齢期を迎えてもそれまでの生活の形や内容を大きく変えることなく,慣れた家庭や地域社会で生活を持続するために,どのような住民相互のまた社会サービス上の工夫が必要であるかについて,またその前提となる市民の経験の蓄積また学習の展開の重要性について実証的に検討しようとするものである。今年度は以下のことを行った。 1)主題に沿って海外のものも含めた諸文献を収集し検討を行った。 2)この分野において先進的な事例である仙台市国見地区および石巻市桃生地区の「せんだんの杜」および北秋田市鷹巣地区の「ケアタウンたかのす」の実践を調査し検討した。前者は中核的な特養施設等と周辺に配置した小規模多機能施設等との連携を工夫しているものであり,後者は地域福祉の中核となる先進的な老人保健施設を自治体が設置し,それに24時間訪問介護の拠点を組み合わせた事例である。また長野県茅野市の地域福祉施策の展開について調査し検討した。地域社会における重層的な福祉実践組織の整備を試みている。 3)高田洋子は,福井市内NPO団体主催のシンポジウム「地域包括支援センターをもっと身近に!」の実施に参加し報告書を作成した。市民学習の展開に実践的に関与しその意義について検討した。 また高田洋子は,この研究主題に関わる研究集会に参加し研究への機縁を深めた。(1)日本NPOセンターシンポジウム「NPOと行政の対話フォーラム08」(神奈川県民センター,2月),(2)大阪府立大学社会福祉セミナー「地域福祉と子ども家庭福祉実践の今日的課題」(大阪府立大学,2月)。
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