本研究は、我々が持続可能な社会を確立していくために、アメリカ・カナダで300年来のライフスタイルを守り続け、安定的に成長しているアーミッシュシステムをモデルとして取り上げ、彼らのシステムと現代社会のシステムを比較検討し、特に情報、廃棄、経済社会システムを分析することによって、持続可能な社会のために生活側面でどのようなリスクマネージメントが必要であるかを明らかにすることを目的としている。 本年度は、第一に情報分析と経済社会システムの分析として、アーミッシュが生活をしているアメリカにおける消費者情報について分析を行った。アーミッシュはアメリカの中で消費生活をしているが、アメリカ社会では様々な消費者問題が生じている。どのような消費者問題がアメリカで生じているかを、アメリカでの最大規模の消費者情報誌であるConsumer Reports誌を分析することで明らかにした。次に、アーミッシュのライフスタイルを明らかにするために、世界的アーミッシュの研究者であるクレイビル博士とスコット研究員を招聘し、アーミッシュ展を京都と北海道で開催し、アーミッシュのリスクマージメントについての講演を行った。さらに、アーミッシュ学校におけるリスクマネージメント調査として、ほぼ全教師が購読しているBlackboard Bulletin誌を分析をさらに進めた。この結果、アーミッシュは人間発達の視点から教育を実践していることが明らかとなった。最後に廃棄システムに関しては、日本の500世帯の家庭の食に関するマテリアルフローを調査、分析し、持続可能な社会を構築するために必要な消費者教育について明らかにした。
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