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2007 年度 実績報告書

高齢者虐待における「虐待を甘受する家族病理」構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500650
研究機関京都教育大学

研究代表者

杉井 潤子  京都教育大学, 教育学部, 教授 (70280089)

キーワード高齢者 / 虐待 / 家族病理 / 介護
研究概要

平成19年度は、高齢者に対する虐待行為に関する国内外の資料および文献収集を行い、これまで行われてきた高齢者虐待に関する実態調査研究を分析した結果、下記のことが明らかとなった。(1)弱者・依存者を支配・拘束する介護暴力、(2)家族という親密な関係で引き起こされる愛情暴力、(3)「ウチ」「ミウチ」意識のなかで起こる密室暴力、(4)被虐高齢者および加虐養護者双方の自覚・認識の欠如、(5)虐待者や高齢者の性格や人格、人間関係上の問題に多くは起因する。
以上から、下記の仮説が導き出された。
(1)虐待は、特殊な家庭において、ある特定の状況下で、特定の高齢者のみに対して、必然的に引き起こされる問題ではない、(2)どこの家庭においても、どのような高齢者に対しても、虐待が引き起こされる可能性はいつでもある、(3)虐待は、特殊な家庭において、ある特定の状況下で、特定の養護者が、必然的に引き起こす問題ではない、(4)どこの家庭においても、どのような養護者においても、虐待を起こす可能性はいつでもある、(5)虐待をしてしまった養護者は、故意に虐待をしたとは限らない。虐待したくてしたのではなく、虐待をせざるを得ない状況におかれたことにもよる、(6)今、うまく介護ができている家庭においても、事態が変化すれば、虐待が引き起こされてしまうかもしれない。ぜったいに虐待は起こらないという保証はない、(7)虐待をしてしまうか、あるいは虐待をせずにすんだかどうかは紙一重であり、養護者および家族を、盲目的に、虐待危険軍とみなしてしまってはいけない、(8)養護者が、ときに高齢者から暴力を受けて被害者となり、逆虐待も起こりうる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] エイジズムの構造と生成要因2007

    • 著者名/発表者名
      杉井潤子
    • 雑誌名

      日本社会病理学会編『現代の社会病理』 第22号

      ページ: 155-170

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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