研究課題/領域番号 |
19500655
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
矢野 真 京都女子大学, 発達教育学部, 准教授 (00369472)
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研究分担者 |
吉津 晶子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (60350568)
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キーワード | 表現教育 / 教材開発 / 造形と音楽 / おりがみうた / 保育現場 / ワークショップ / 保育者養成校 / おととかたち |
研究概要 |
本研究は、実際の保育・教育の現場における「造形」と「音楽」を融合した教材開発を通して、子どもの創造性を育む保育・教育内容の提唱と実践を行うことを目的とする。本年度は、平成19年度の認定こども園と保育所・幼稚園における表現教育の現状調査、平成20年度の「造形」と「音楽」の融合における子どもの援助についての教材提示と実践研究を踏まえ、「おりがみうた」の有効性について保育者へフィードバックし、保育者の視点を中心として考察を行った。 200園に「おりがみうた」の実践依頼を行い、実践後に質問紙調査を実施した(有効回答129)。どの項目についても「おりがみうた」の平均値は高い結果となった。さらに、得点の平均値を保育経験年数により比較した結果、保育経験が短い保育者ほど「おりがみうた」に対して難しさを感じ、保育経験が短い保育者ほど「おりがみうた」を有効かつ必要な教材であると感じているとことが明らかとなった。 今回の研究を通して、今後の表現教育のあり方の重要性が明らかとなった。 (1)「造形」と「音楽」を切り離して考えるだけではなく、保育現場や保育者養成校では両者を関連づけた教材の提示が必要である。特に、保育現場では日々の活動の流れに沿って表現教育を捉える必要があり、保育者養成校においては、領域「表現」としての保育内容等の授業を展開していく必要性がある。 (2)保育現場と保育者養成校とが連携することにより、今後の表現教育のあり方や教材開発に取り組んでいく必要がある。そのためには、新たな領域「表現」のあり方について、研究者間や教員・保育者養成機関の立場からの一方的な提示ではなく、保育現場との意見交換による相互の共通理解による領域「表現」のあり方を検討していく必要性がある。
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