研究課題/領域番号 |
19500660
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小谷 スミ子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60018653)
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研究分担者 |
五十嵐 淳子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90168097)
原 崇 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20323959)
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キーワード | 小麦アレルギー / グルテンフリー / 米粉パン / ヒドロキシプロピルメチルセルロース / 粘度 / 物性 / テクスチャー / 官能検査 |
研究概要 |
【目的】小麦アレルギー患者が安心して食べられる米粉パンの製造を開発することで小麦アレルギー予防に寄与することを目的とする。米粉はグルテンを含まないため膨らまず米粉パンの製造は困難である。そのため現在市販されている米粉パンは小麦粉から分離した活性グルテンを添加している。しかしグルテンは強力な小麦アレルゲンである。そこでセルロースの誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCと略)を新たな増粘剤として選び、グルテンフリー米粉パンの製造条件を検討した。【方法】1.材料:三大アレルゲンの卵・乳・小麦を含まないようにした。2.製造条件:主材料と副材料の配合割合・パン型の種類・生地量および発酵・焼成の温度・湿度・時間などを検討した。3.物性評価:生地は粘度を、焼成後の製品は比容積・重量減少率・水分およびテクスチャーを測定した。4.官能評価:5段階評点法による嗜好調査を行った。5.試料間の差はt検定によった。【結果・考察】1.主材料100に対する副材料の重量比は、HPMC0.8、ドライイースト1.5、オリーブオイル5、砂糖8、塩2、水80が適当であった。2.HPMC添加米粉パンの生地は、特徴的なずり履歴を示した。3.パン生地はみかけの粘度を20〜40×10^4mPa・sに調製すると製パン性が良好になることが示唆された。4.焼成後のパンの比容積は一般的な食パンの4.0に近い値が得られた。5.試料サイズ2.0×2.0×2.0cmの硬さは11.5±3.2×10^3Pa、凝集性は0.60±0.04、付着性は2.0±1.0×10^2J/m^3であった。室温保存3日間でこれらの値の変動は認められなかった。6.嗜好調査では、有意に好まれる傾向が得られた。特に色・内相のやわらかさ・もちもち感では高評価を得た。
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