従来のポリフェノールの製造は、茶葉からカテキン類、ブドウ種子や松樹皮からプロアントシアニジンのように、それぞれの植物に含まれるポリフェノールをもともとの形のまま抽出精製する方法で行われてきた。本研究においては、エピガロカテキンニ量体四量体を、柿タンニンの低分子化(イノベーション)によって得ることを新たなシーズとしている。柿タンニンはエピガロカテキンの重合体であるため、そのままでは体内で有効利用されないが、低分子化する事によって薬理効果が高まる。本研究に先駆けて行われた「平成15年さきがけ研究開発助成事業」(富山県)において、富山県産の柿皮タンニンを断片化して得た柿ポリフェノールオリゴマーが強力な抗酸化活性を示すことが判明しており、本年度は柿皮タンニンの低分子化を効率化し、量産化のための製造技術の確立を行なった。得られた柿ポリフェノールオリゴマーの品質評価をin vitroの系(抗酸化活性、酵素阻害活性等)で行なった。なお、本研究は従来に無い新規技術を用いており、最適化の後に事業化を目指している。
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