研究概要 |
糖類の分子形状とベビーフード構成分子の分子間相互作用の解析を,粘度と密度測定をそれぞれ駆使して追跡した。 水構造パラメータであるパラメータα値は,グルコースなどの糖や一般的なアミノ酸では負の値を示すが,グリシンの場合には正の値を示した。また,グリシンなどのアミノ酸がペクチン水溶液中に存在すると,ペクチン水溶液の粘度が低下する場合が多かった。密度や粘度から求められた水和状態に関するパラメータを調べたところ,糖とアミノ酸では水和パラメータの温度依存性などが異なることから,そこには異なる水和機構が存在していると考えられた。一方,粘度を指標として高分子の分子間相互作用を分類したところ,大きく3パターンに分けることが可能であり,キサンタンガムのグループは,糸まり状態が強く,温度による粘度変化が少ないので,食品の増粘剤として望ましいと考えられた。
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