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2009 年度 実績報告書

調理・加工による食品中有害物質のデトックス法と新しい安全性評価法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19500675
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

小西 良子  国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 部長 (10195761)

キーワードデオキシニバレノール / マウス / 吸収率 / ペクチンゲル
研究概要

食品中の汚染物質、特にカビ毒に着目し、調理や加工により減毒化(デトックス化)を行いヒトへの摂取量をできるだけ少なくする方法を開発することによって、より積極的なデトックス法の開発を目的とした。
昨年までの成果で、ペクチンなどのゲル化により、カビ毒をゲル中に封じ込めできる可能性について明らかにし、加工工程によるデトックス法を提言した。今年度は、これらのデトックス法が、生体内で減衰に効果的に働いているかを、実験動物を用いた研究で解明した。この成果は、本テーマである新しい安全性評価法の構築につながる。
小麦の汚染で問題となっているデオキシニバレノール(DON)をマウスにあたえ、血液、尿、糞などへのDONの濃度を測定し、吸収率および排出率を検討した。投与したDONは、ペクチン封入DON, DON水溶液、ペクチンのみの3種類であった。ペクチン封入DON投与群の血液中のDON濃度は、DON水溶液投与群に比べ約1/4に留まっていた。尿および糞への排出量は両群に有意差は認められなかった。ペクチンのみの投与群においてはDONは検出されなかった。以上の結果より、in vitroで示されたペクチンのDONに対する封入効果はin vivo実験においても証明された。
また、ペクチンは長い食生活の経験から、安全な食品であること、最近コレステロール吸収阻害などの付加価値が注目されていることから、食品添加物としても有用であることが示されている。これに加えて、食品中の有害物質を封じ込め、その吸収を阻害する作用を持つことは今後の応用が期待できる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] A survey of the occurrence of Fusarium Mycotoxins in Biscuits in Japan by using LC/MS2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, H., Sugita-Konishi, Y., Takino, M., Tanaka, T., Toriba, A., Hayakawa, K.
    • 雑誌名

      J.Health Science 56(2)

      ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Determination of nivalenol deoxynivalenol by liquid chromatography/atmospheric pressure photoionization mass spectrometry2009

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H, Takino M, Sugita-Konishi Y, Tanaka T, Toriba A, Hayakawa K.
    • 雑誌名

      Rapid Commun Mass Spectrom 23(19)

      ページ: 3119-3124

    • 査読あり
  • [学会発表] Suppressive Effect of Pectin Gelation on Absorption of Deoxynivalenol in Mice2010

    • 著者名/発表者名
      Sugita-Konishi, Y., Koyama, D., Kadota, T., Itoh, S., Sugiyama, K., Tamura, C., Nishijima, M., Kamata, Y.
    • 学会等名
      49th Annual Meeting of Society of Toxicology
    • 発表場所
      函館
    • 年月日
      2010-03-10
  • [学会発表] Study on the toxicokinetics of deoxynivalenol in swine2009

    • 著者名/発表者名
      Koyama, D., Arai, S., Kamata, Y., Nakajima, T., Sugita-Konishi, Y., Itoh, S.
    • 学会等名
      アジア養豚獣医学会(APVS2009)
    • 発表場所
      茨城県つくば市
    • 年月日
      2009-10-27
  • [学会発表] 低メトキシルペクチンのゲル化を利用したカビ毒の封入効果2009

    • 著者名/発表者名
      田村千佳子, 杉山圭一, 鎌田洋一, 小西良子, 中馬誠, 門田智之, 西島基弘
    • 学会等名
      第98回日本食品衛生学会
    • 発表場所
      函館
    • 年月日
      2009-10-08
  • [学会発表] Sealing effects of pectin gelation on mycotoxin reduction in food2009

    • 著者名/発表者名
      Tamura, C., Nakamura, M., Kadota, T., Itoh, S., Kamata, Y., Sugiyama, K., Nishijima, N., Sugita-Konishi, Y
    • 学会等名
      ISM Conference 2009
    • 発表場所
      ツーリン、オーストリア
    • 年月日
      2009-09-08
  • [産業財産権] マイコトキシンの体内への吸収を抑制する効果のある食品または飼料用添加剤2009

    • 発明者名
      小西良子, 田村千佳子, 中馬誠
    • 権利者名
      国立医薬品食品衛生研究所 三栄源FFI(株)
    • 産業財産権番号
      特願2009-207488
    • 出願年月日
      2009-09-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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