研究概要 |
老年期食生活の問題点として、食物繊維の摂取が少ないことがあげられる。そこで、本実験では、老齢ラットを用いて遺伝子発現を指標として健康に影響を及ぼすような遺伝子発現があるか検討することにした。 まず予備実験として老齢ラットは37週令のオスラットを用いて、食物繊維20%の群と2%の群をもちいて、1週間飼育した。その間、食物繊維の量に左右される糞の形状を観察した。食物繊維の多い群では大きく白い形状の糞を1匹あたり1日30-40ほど排泄したのに対し、2%の群では黒色の糞を3-4つほど排泄しただけであった。 そこで、腸内細菌叢に変化がないか、細菌のリボゾームRNAの中の16SRNAの配列で特定の領域をプライマーの末端に蛍光ラベルしたものでPCR法により増幅し、その産物についてHhaI, HspIおのおので制限酵素処理をし、Applied Biosystems社のPrism3100で断片長を計測した。その結果を和光市にある理化学研究所バイオリソースセンターで開発したソフトで解析し、細菌の種類を同定した。 その結果、食物繊維を多く与えた群では腸内細菌叢が種類が少なく、どのラットも同様な種類であったが、食物繊維の少ない群では腸内細菌の種類も多く、ラットの個体差があるという結果であつた。この結果をもとに21年度は本実験を行う。
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