本研究においては、「地域に根ざした食教育内容・教材・方法」と「ピア・エデュケーション」との<相乗的教育効果>の追究をめざして、以下のような研究を実施した。 ●教育内容研究にあたっては、児童を対象とした事前の食生活実態アンケート調査の結果をふまえて、生活化につながりやすいテーマを設定して実践した。 ●ピア・エデュケーションの実践にあたっては、高校生と児童が共に活動する「クイズ」「ゲーム」「合唱」に加えて指導内容に直結した「食べる授業」の導入により、印象深い展開を工夫した。 ●事後のアンケート調査により、児童たちは教師よりも年齢の近い高校生による食育指導にほぼ全員が好意的な感想をもつとともに、生活化への意欲向上も明らかとなった。 ●一方、ピア・エデュケーションの実践にあたった高校生へのアンケート調査より、児童を対象とした教材研究や指導に向けての研修をとおして、食育について「自ら目的意識をもって学ぶ」ことの実感や質の高い学習効果が確認された。 以上の成果は、専門誌上並びに講演・講習等の機会をとおして発表した。
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