研究概要 |
本研究ではこれまでに構築した行政、地域住民との良好な協力関係を背景に、すでに進行中のコホート研究参加者及び新規対象者に対して、聴力損失の評価、血清抗酸化物質を中心とする環境・ライフスタイル調査をあらたに実施し、研究期間内に以下に掲げる事項を明らかにすることを目標としている。1.地域代表性の高い65歳以上高齢者サンプルにおける血清抗酸化物質レベルの分布2.血清抗酸化物質レベルと聴力損失との関連3.血清抗酸化物質レベルに影響を与える環境・ライフスタイル因子の解明。 本年度は、群馬県高崎市K町在住の65歳以上を対象とした「地域在住高齢者の機能評価とエイジングに関するコホート研究」参加者370名に対し、以下を実施した。1.疫学調査、データ採取:純音聴力検査、指こすり法、Hearing Handicap Inventory for the Elderly(HHIE)を含む質問票を使用して聴力損失の程度を評価した。血液検体採取、環境要因・ライフスタイル要因の評価、その他多面的機能評価を実施した。2.抗酸化物質の測定:分析まで-80℃に凍結した血清について、HPLCにより抗酸化物質(retino1,α,γ-tocopherol,α,β-carotene,lycopene,lutein,zeaxantineの8物質)の分析を実施した。3.結果の還元:参加者を対象とする結果説明会を計4日間実施し、集団としての解析結果を地域・参加住民に還元した。同時に、聴力損失有所見者に対しては、きこえの健康教育、程度・状況により医療機関、保健師への誘導を行った。
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