【目的】本研究は昨年同様稲沢市教育委員会、学校保健委員会と共同して、高学年児童に食育支援ならびに栄養アセスメントを実施し、食育支援プログラムの検証を試みた。【方法】1.管理栄養士養成課程4年生卒業演習科目の一貫から学生による介入授業(3回シリーズ)を実施した。今年もさらに子どもを通して保護者への食行動変容をも目指した。2.(1)連続4日間の秤量法による食事調査、(2)24時間蓄尿、(3)食生活調査を実施した。【結果】高学年児童への介入授業は、(1)地産地消について、(2)わが家の自慢の朝食レシピ、(3)私食べるヒトから作るヒトへ、の各テーマで行った。その結果、地元でとれる野菜を身近に感じ、地元でとれる食材を大切にし、安心・安全な食材を日常の食事の中に取り入れることができた。子どもたちが調理のスキルを身につけ、自ら家族に朝食を作ることができた。食べるヒトから作るヒトに変容したことで家族への感謝の気持ち、食べてもらう人への思いやり、食べ残しが少なくなった。なにより家族との会話が増えた。など保護者からのたくさんのコメントを頂き、食育支援が高く評価された。新聞、NHK、稲沢市"広報“に取り上げられた。高学年児童への食育支援プログラムは、地元の小学校のみならず愛知県下で多くの小学校から同様な支援を依頼されている。今後はさらにこのプログラムが誰でもできるよう標準化・システム化を進めたいと考えている。さらには秤量法による連続4日間の食事記録と24時間尿を採尿し、水溶性ビタミンの排泄量と摂取量との関連性を見出すことができた。それによるとビタミンB12を除く他の水溶性ビタミンに正の有意差がみられた。よって、水溶性ビタミン排泄量を用いて、水溶性ビタミン摂取量の栄養評価することが確認できた。この結果表を個々人にフィードバックし栄養教育を実施した。食生活の行動変容をもたらす一指標になり、現在論文を海外の雑誌に投稿する準備をしている。
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