• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

食教育と食物アレルギー児の食事指導のための科学的根拠に基づく食事指導指針

研究課題

研究課題/領域番号 19500697
研究機関同志社女子大学

研究代表者

伊藤 節子  同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (50144358)

キーワード食物アレルギー / 卵 / 牛乳 / 小麦粉 / 米粉 / 低アレルゲン化 / S-S結合 / 起泡性
研究概要

卵白の抗原性の低下に関して、卵白アルブミンは凝固による不溶化の果たす役割が大きく見かけ上はオボムコイドよりも低アレルゲン化しやすいが、副材料を用いることにより両者をほぼ同等に低アレルゲン化することが可能となった。副材料の種類により卵白の抗原性の低下の程度は異なり、片栗粉では低減化が起こりにくいが、小麦粉では片栗粉を用いたときの約10分の1にまで抗原性を低減化することができた。米粉を副材料として用いた時にも小麦粉とほぼ同等の卵抗原低減化作用が認められたため、そのメカニズムをmBBrを用いて検討した結果、小麦粉の場合と同様に米粉中のS-S結合が関与していることが明らかとなった。
米粉を用いることにより卵白の起泡性を利用し、かつ、卵の風味も生かした蒸しケーキを作成することができた。1個30gの中に原材料として全卵1/3個が含まれるが、蒸しケーキ1個中の卵白アルブミンとオボムコイドはいずれも100μg以下にまで低減化することができた。乳製品も小麦も用いていないため食物アレルギー児のおやつとしても、また、卵アレルギー児の寛解導入のための低アレルゲン化食品としても用いることができると考えられた。
牛乳と小麦粉の低アレルゲン化については野菜やフルーツ中のプロテアーゼを用いた低アレルゲン化についての検討を行っており、卵ほどの低アレルゲン化はまだ達成されていないが、食事指導に役立つ知見が得られたので、引きつづき、検討予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Acute Allergic Reaction due to Milk Proteins Contaminationg Lactose Added to Corticosteroid for Injection.2009

    • 著者名/発表者名
      A. Eda, et. al
    • 雑誌名

      Allergology International 58

      ページ: 137-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自動分析装置によるヒスタミン遊離試験の臨床的有用性の検討2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤節子, 他20名
    • 雑誌名

      医学と薬学 59

      ページ: 917-924

    • 査読あり
  • [学会発表] シンポジウム「調理の役割」調理の食物アレルギー抑制への貢献2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤節子
    • 学会等名
      日本調理科学学会平成20年度大会
    • 発表場所
      杉山女学園大学(名古屋市)
    • 年月日
      2008-08-31
  • [学会発表] シンポジウム「食物アレルギー研究の最近の進歩」調理・加熱等による食品中のアレルゲン性の変化について2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤節子
    • 学会等名
      第20回日本アレルギー学会春季臨床大会
    • 発表場所
      ホテル日航東京(東京都)
    • 年月日
      2008-06-13
  • [図書] 食物アレルギーの治療と管理 改訂第2版2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤節子(分担執筆)
    • 総ページ数
      269
    • 出版者
      診断と治療社
  • [備考]

    • URL

      http://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/data/502.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi