研究概要 |
現在,医薬品以外で宿主の免疫能を増強させる作用があるとして多くのいわゆる「健康食品」が販売され,多くの人に利用されているが,これらが真に免疫増強能を有しているか否かについての体系的な研究はほとんどなされていない。そこで,今回の検討では,これら健康食品類の宿主免疫増強能をヒト及びマウス培養細胞を用いたin vitro assay系でスクリーニングを行うことによって,真に有効な食品類の検索を行うことを目的としている。 本年度はマウスマクロファージ様細胞株(RAW264.7,J774A.1)およびヒトマクロファージ様細胞株(THP-1,U937)を入手し,各細胞への健康食品の添加によるスーパーオキサイド産生能およびリステリア菌感染あるいは非感染各細胞に対する健康食品の効果について検討するための予備実験を数回に亘って行った。 その結果,前者の方法(succinimidyl ester of dichlorohydrofluorescein diacetateで細胞を処理した後,各種健康食品などの細胞刺激剤の添加によってスーパーオキサイド産生部位を蛍光顕微鏡にて肉眼的に観察する方法)では実施が困難であることがほぼ判明した。今後は後者の方法を用いて検討を継続する予定である。
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